落語チャンネル落語を読む、演目を探す。
落語チャンネル。黒・赤茶・緑の縦縞の幕と松の背景を配した高座で、古今亭志ん生のアニメ風似顔絵が扇子を手に語る。
演目を読む / 上方落語

宿屋仇眠りたい侍と、にぎやかな三人客

共通解説・あらすじ

静かな部屋で眠りたい侍。その隣では、三人連れの客が酒を飲んで騒いでいます。宿の伊八は何度も注意を伝えますが、騒ぎは収まらず、客の自慢話が思わぬ騒動へつながります。公開された放送紹介と、枝雀を主な参照とする編集メモをもとにした新規要約です。(放送ライブラリーの番組紹介/上方落語メモ・上)

隣室を行き来する伊八と、客の自慢話

大阪・日本橋の宿に泊まった侍は、前夜に寝られなかったため、今夜こそ静かに休みたいと頼みます。ところが三人客の宴会が始まり、伊八が侍の部屋と客の部屋を往復することに。参照メモでは宴会に加えて相撲の騒ぎも描かれますが、その場面が全演者にあるとは確認していません。(米朝の放送紹介/加除改訂を明記する編集メモ)

やがて一人が、過去に人を殺して逃げたという話を得意げに語ります。聞いていた侍は、まさに自分が捜していた仇だと言い出します。客の大言が自分の身に返ってくる展開と、双方の言い分を聞かされる伊八の困惑を追う一席です。(1973年の米朝番組紹介)

「宿屋仇」と「宿屋の仇討」

米朝の公式CD目録には「日本橋宿屋仇討(宿屋仇)」の表記があります。参照メモは江戸落語の相当演目を「宿屋の仇討」と記しています。ここでは上方の資料を中心にし、江戸版の舞台・人物や台詞をそのまま共通設定へ取り込んでいません。(米朝の公式目録/編集メモの対応演目欄)

結末・サゲを開閉する参照資料の結末に触れます。

侍が語った仇討ちの真相

参照メモでは、翌朝、客たちを縛って待つ伊八をよそに、侍は出発しようとします。仇討ちの話は、騒ぐ客を黙らせて眠るために侍が作った嘘でした。客の嘘に侍が嘘で応じていたと分かり、夜の騒動がひっくり返ります。(上方落語メモ・下の結末を要約)

このメモは枝雀を主に米朝・吉朝も参照し、内容の加除改訂と主な演者のサゲ採用を明記しています。台詞の逐語転載ではなく、文三・米朝・文我の掲載資料や原口演と、結びの言い回しまで同じだと確認したものではありません。

「三十石夢の通い路」から続く、復路の宿

文我版の公式収録目録では、第19項目「走り餅」、第20・21項目「三十石(上・下)」、第22項目「宿屋仇」約46分と続きます。出版社の書籍目次も、復路の末尾に「三十石夢の通い路」「宿屋仇」を並べています。この版で確認できた収録順として、前の一席とつなぎます。(文我版の公式目録/出版社の公開目次)

参照メモの三人は、伊勢参りの帰りとみえる兵庫辺りの若い衆で、喜六・清八・源兵衛と記されます。また下巻では、三十石船で聞いた話を自分の体験のように語ったという説明も出ます。ただしこれは船上の別演目と同一場面という証拠ではなく、全ての「東の旅」で同じ人物・接続になるとも断定しません。(上巻の人物設定/下巻の話の由来に関する説明)

米朝の公式CDにも「三十石」と「宿屋仇」は同じディスクに入っていますが、収録日・会場は別です。一度の連続高座とは扱いません。文我版で復路の最後に置かれることと、演目全体の歴史上の位置づけは分けて確認します。(米朝の公式収録情報)

「東の旅」の全体を読む / 前の一席「三十石夢の通い路」を読む

演者別の収録資料

演者別

桂文三(五代目)

桂文三の掲載演目へ

参照資料上の演者名を案内しています。正規の収録資料との対応や、口演の具体的な特徴は未確認です。

演者別

桂米朝(三代目)

桂米朝の掲載演目へ

1978年の高座収録と、別の放送記録

公式CD目録は「日本橋宿屋仇討(宿屋仇)」を1978年10月12日、京都・府立文化芸術会館の収録と記載しています。放送ライブラリーには1973年4月29日と1975年7月27日のラジオ大阪の番組があり、いずれも番組時間47分です。前者はインタビューを含むため、47分を落語本編だけの尺とはしません。(公式CDの収録情報/1973年番組/1975年番組)

演者別

桂枝雀(二代目)

桂枝雀の掲載演目へ

公式CDと、1982年口演を参照した編集資料

公式商品「THE 枝雀」はCDに「宿屋仇」を掲載し、発売日は2006年5月24日と表示します。筋の参照に使った上下のメモは、主な高座記録を1982年12月26日「枝雀寄席」(ABC)、補助参照を米朝・吉朝としています。商品音源とメモの主音源が同じかは未照合です。(公式商品目録/編集メモの作成記録)

演者別

桂文我(四代目)

桂文我の掲載演目へ

通し口演版の第22項目・約46分

文我版では復路の収録目録の最後に置かれています。商品説明は、長期間の複数会場の音源を集め、書籍の構成をライブで短くまとめる場合もあると記しています。「宿屋仇」個別の収録日・会場、三人の人物設定、前後をつなぐ言葉と原典の対応は未確認です。(公式の目録・音源説明)

出典と参照範囲

  1. パンローリング・書籍の公開目次 / でじじ・通し口演下巻

    復路の順序と文我版約46分。書籍本文・音源全編は未確認です。

  2. ユニバーサル ミュージック・桂米朝上方落語選集

    1978年10月12日の収録と会場・題名を確認。音源本編は未聴です。

  3. 放送ライブラリー・1973年番組 / 同・1975年番組

    番組時間・放送日・出演者・公開紹介文を参照。番組全編のネット再生は確認していません。

  4. ユニバーサル ミュージック・THE 枝雀

    収録目録・発売日。発売日と収録日は区別しています。

  5. 上方落語メモ・宿屋仇(上) / 同(下)

    ブラウザーで実読した二次編集資料。枝雀を主に米朝・吉朝も参照し、加除改訂を明記。新規要約の参照であり、原典本文や逐語記録として採用していません。

東の旅を順に読む

文我版の目次順・掲載済みのページ:復路 9 / 9。各演者の接続や口演範囲は記事内の出典・未確認事項をご覧ください。