足上がり(あしあがり)のあらすじとサゲ
共通解説・あらすじ
芝居の動きをまねる番頭と、店で決まったことを知っている丁稚。「足上がり」は、芝居見物の話に商家の出来事が重なる上方落語です。この稿では、小佐田定雄『米朝らくごの舞台裏』の公開試し読みで読めた解説をもとに、筋と結末を要約します。(小佐田定雄『米朝らくごの舞台裏』、筑摩書房、2015年)
結末を含むあらすじ・サゲを開閉するこの先に噺の結末があります。初期状態は閉じています。
あらすじ(結末を含みます)
芝居好きの番頭は、丁稚の定吉を連れて見物に出掛けます。先に店へ戻った定吉が旦那に問い詰められ、番頭が店の金を使って芝居を見ていたことまで分かってしまいます。立腹した旦那は、番頭を解雇することにします。
店へ戻った番頭は、定吉を相手に見てきた芝居を語り始めます。話すうちに芝居の登場人物を演じ、蚊帳を使って幽霊が浮く様子まで再現します。そこへ、番頭の解雇を示す定吉の言葉が入り、噺が終わります。以上は小佐田の解説にある筋の要約です。(同書「足上がり」節の公開部分)
サゲの「足上がり」は何を表すのか
「足上がり」は、雇われている人が解雇されることや、職人が出入りを差し止められることを表す語です。『精選版 日本国語大辞典』の「足上」の項目で、この語義を確認できます。(コトバンク掲載「足上」)
番頭は幽霊の足が宙に浮く様子を語っていますが、定吉の言葉は番頭が職を失うことにも通じます。この結末を、身体の動きと解雇を表すことばが重なるサゲ(噺の結末)として読めます。番頭の芝居への熱中と、店の現実を並べて見ると、題の意味も追いやすくなります。これは小佐田の筋の説明と辞書の語義を踏まえた本稿の読みです。(小佐田の解説、辞書の語義)
芝居に入る音と、店の現実に戻る間
小佐田は、噺で扱われる芝居を『東海道四谷怪談』の蛇山庵室の場と説明しています。また、芝居へ移る音のきっかけや、定吉が現実に戻る場面の間について、米朝の芸談を記しています。(『米朝らくごの舞台裏』「足上がり」節)
その説明からは、同じ人物が商家で話している場面と、芝居を演じる場面とを、演者がどう切り替えるかに注目できます。口演を比べるときは、番頭が演じ始めるところ、定吉が応じるところ、結末に至るところが確認点になります。
米朝の収録資料と、今回確認した範囲
公式商品情報には、桂米朝『昭和の名演 百噺 其の九』(UPCY-7631)の2曲目として「足上り」が載っています。記載されている口演は1972年10月9日、大阪朝日生命ホールのものです。記事の「足上がり」と、商品目録の「足上り」は、資料ごとの表記として区別しています。(ユニバーサル ミュージック公式商品情報)
この録音の全編は未聴で、小佐田の解説と同じ台詞・演出かは未確認です。今回読めた試し読みも「足上がり」節の途中までで、米朝自身の逐語速記本文や紙版の該当頁は確認していません。各口演の台詞、囃子、仕草の差、詳しい伝承経路と復活年は、資料をそろえて照合する課題として残しています。
資料の扱い
確認日:2026年10月17日。あらすじと芸談の参照は、小佐田定雄『米朝らくごの舞台裏』(ちくま新書1123)のBookLive公開試し読みに限ります。書誌は筑摩書房の作品情報でも確認しています。本文の台詞を逐語で転載せず、自分の文章で要約しました。音源・映像・写真の転載はしていません。資料や素材の再利用権利は未確認です。
演者別の収録資料
演者別
桂米朝(三代目)
大阪府立上方演芸資料館の解説で三代目の表記を確認。資料の収録原本や投稿許諾は別途未確認。 演者の識別に参照した資料
確認できた特徴・口演差
この資料の参照範囲は上記のとおりです。口演全編の比較は未実施で、ほかの演者と違う台詞・仕草・サゲを確定していません。
出典と参照範囲
- 米朝らくごの舞台裏
正規公開試し読みの足上がり節4画面。2026-10-17に実読済み。章末未読・紙版頁未確認。
- 精選版日本国語大辞典 足上
読みと語義。用例の原本は未確認。
- 桂 米朝 昭和の名演 百噺 其の九 UPCY-7631
曲2足上り、1972-10-09大阪朝日生命ホールと公式表示。音声未聴。
- 米朝らくごの舞台裏 作品情報
著者・書名・ISBN・叢書・刊行日。内容実読の代用にはしない。
